寺師のサウナ手帖

鹿児島から、サウナと食と旅の記録

サウナで「ととのう」意味と感覚とは?体験談から紐解く魅力と入り方

サウナで「ととのう」の意味と起こる感覚とは

サウナ用語として定着した「ととのう」という言葉ですが、具体的にどのような意味や感覚を指すのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

一般的にサウナで「ととのう」とは、サウナ、水風呂、外気浴(休憩)を繰り返すことで得られる、非常に深いリラックス状態やトランス状態のことを意味します。極限の熱さと冷たさを経験した後にゆったりと休憩することで、副交感神経が優位になり、頭がすっきりと冴えわたりながらも体は心地よく脱力する感覚を味わえます。

一般的には、サウナに入ると脳内でセロトニンやオキシトシン、β-エンドルフィンといったホルモンが分泌されると言われており、これが特有の多幸感や深いリラックス感をもたらす理由とされています。言葉だけでは伝わりにくい感覚ですが、自分の心身や大切な人と静かに向き合える貴重な体験と言えます。

「ととのう」を実感する基本的なサウナの入り方と手順

サウナで「ととのう」感覚を得るためには、適切な手順で温冷交互浴を行うことが大切です。無理のない範囲で以下の流れを1セットとし、2〜3セット繰り返すのが一般的です。

手順 行動 状態やポイント
1. 水分補給・身体を洗う 事前準備 汗をかきやすくし、衛生的に利用するために体を清潔にする
2. サウナ浴(5〜10分) 温熱刺激 発汗を促し体を温める。無理をせず自分の体調に合わせて退出する
3. 汗を流す 衛生ケア かけ水やシャワーで汗をしっかり洗い流す
4. 水風呂(1〜2分) 冷却刺激 息を深く吐きながらゆっくり入る。無理は禁物
5. 外気浴・休憩(5〜10分) リラックス ベンチやチェアーに腰掛け、静かに深呼吸をして体を休める

上記の流れを守り、特に「サウナ後の外気浴」の時間を丁寧にとることで、「ととのう」感覚を実感しやすくなります。

【体験談】私が実際に「ととのう」を感じたリアルなサウナエピソード

私自身、鹿児島を中心に様々なサウナ施設を訪れ、家族や友人と一緒にサウナ時間を楽しんできました。ここでは、私が実際に体験した「ととのう」瞬間や、心に残るサウナでのエピソードをご紹介します。

家族湯で感じた最高のリラックスと「ととのう」体験

普段のサ活(サウナ活動)において、サウナ浴では脳内ホルモンが分泌されていると感じることが多くあります。特に印象深かったのは、家族4人で少し遠出してサウナ付き家族湯に行った際のことです。

その家族湯のサウナ室は2段構成になっており、下段は十分温度が低い状態でした。子どもが初めてサウナに興味を持ったため、下段かつ短時間であれば問題ないと判断し、人生で初めて子どもと一緒にサウナに入りました。

テレビのない静かなサウナ室で、私と長女の2人で過ごす時間。「暑くない?」と頭や肩を触って温度を確認しながら問いかけると、「うん、大丈夫」と笑顔を返してくれました。ドア越しには妻と次女がこちらを見ながら湯船につかっていました。このとき、脳内でセロトニンやオキシトシンなどのホルモンがあふれ出すような多幸感があり、あまり「ととのう」という表現にこだわらない私でも、あの瞬間は確実にととのっていたと感じます。

また、それまで「なぜわざわざ体を冷やすのか意味がわからない」と水風呂食わず嫌いだった妻も、このときのサウナで初めて1分程度水風呂に入り、それを2セット体験しました。大切な人と一緒にサウナや水風呂、外気浴を楽しむ時間は、体の内面からあらゆるものへの感謝が湧き出し、今この瞬間への解像度が高くなるような素晴らしい体験になりました。

また別の機会には、開店10分後に到着して待ち時間ゼロで利用できた霧島の「古民家家族湯 天空」を訪れました。このときは妻と交互にサウナを楽しみ、一方がサウナに入っている間、もう一方は外気浴をしながら子どもたちと遊ぶスタイルをとりました。子どもの笑い声をBGMにしながらサウナ、水風呂、外気浴を堪能する時間は格別でした。貸切空間である家族湯だからこそ、自分たちだけの特別な時間が作れます。

絶景と静寂に包まれる外気浴での体験

外気浴のロケーションや静かな環境も、「ととのう」感覚を大きく左右します。

鹿児島にある「OCEAN RESORTえぐち家」を訪れた際は、サンセットを眺めながら外気浴ができる絶景サウナに感動しました。サウナ室はガス管で適温適湿に保たれており、テレビがないため静かに自分の世界に没頭できます。体感18度前後の水風呂でしっかり体を冷やした後に行う外気浴は最高で、沈む夕日を眺めながら心身ともにリフレッシュできました。

さらに、霧島にある銘水の宿「霧の里」の特別室では、素晴らしい絶景外気浴を体験しました。露天風呂や外気浴スペースからは桜島を眺望でき、近くの茶畑や遠くの山並みを眺めながら、静寂につつまれた外気浴が楽しめます。

この客室サウナには、フィンランド語で「魂」を意味するMETOS社の「ZIEL」というストーブが設置されており、ベンチの座面より低い位置からしっかり温めてくれます。ベンチの奥行きも広くゆったり寝られるサウナ室でセルフロウリュを楽しんだ後、サウナ室を出てすぐの場所にある地下水の飲める水風呂(約20度、製氷器の氷を入れることで体感15度程度まで下げられる)に入り、外気浴で桜島を眺める時間は非常に魅力的な体験でした。また、外にある貸切型のバレルサウナ(ストーブはHARVIAのSPIRIT)では、夜に綺麗な星空を見上げながら外気浴ができ、地球に生まれてよかったと感じるほどの心地よさを味わいました。

旅先やプライベート空間で過ごすサウナ時間

旅先でのサウナや、友人とともに過ごすプライベートサウナも素晴らしい記憶として残っています。

大分県の「ANAインターコンチネンタル別府」では、1日おきに男湯と女湯が入れ替わる2種類のサウナを体験しました。初日のスチームサウナは温風が噴き出ていてしっかり熱く、水風呂はないためシャワーと外気浴で冷却しました。翌日のドライサウナは約80度で、ボタンを押してセミオートのアロマロウリュができる仕様でした。テレビのない黒っぽい木で作られた落ち着いた室内で汗を流し、18度程度の水風呂と外気浴を経て、朝方に美しい別府湾を眺めた時間は非常に贅沢でした。

また、東京の麻布十番にあるプライベートサウナ「LedianSpa」では、テレビなしのメトスサウナ、チラーで冷やされた水風呂、貸切の外気浴空間というプレミアムな環境をひとりで楽しもうとしていました。すると、友人の田中健太郎氏が当たり前のようにサウナ室に入ってくるというサプライズがあり、結果として一緒に外気浴で乾杯することになりました。偶然の出会いも含めて、プライベートなサウナ空間は大切な人と向き合い、素晴らしい時間を共有できる特別な場所です。

サウナで「ととのう」感覚をより高める3つのポイント

サウナでより深く「ととのう」感覚を得るために、日頃のサ活で意識したいポイントを3つまとめました。

  1. テレビのない静かな空間を選ぶ 目や耳からの情報が多いと、脳が休息状態に入りにくくなります。テレビがなく落ち着いた照明のサウナ室や、自然の音だけが聞こえる外気浴スペースを選ぶことで、自分の思考や感覚に深く集中できます。

  2. 水風呂や冷却の工夫をする 水風呂の温度は一般的に15度〜18度前後が心地よいとされていますが、得意・不得意に合わせて調整することが大切です。冷たすぎるのが苦手な場合は20度程度のぬるめの水風呂を利用したり、水風呂がない施設では冷水シャワーでじっくり汗を流してから外気浴に出たりするのも有効です。

  3. 自分自身や大切な人と向き合う意識を持つ サウナは単に体を温めるだけの場所ではありません。日常の忙しさから離れ、自分自身の体の声に耳を傾けたり、パートナーや家族と一緒にリラックスして過ごしたりすることで、内面から感謝や愛おしさが湧き出てきます。そうした心のあり方が、「ととのう」感覚をより深いものにしてくれます。

サウナの「ととのう」に関するよくある質問

Q1. 初めてサウナに入る人でも「ととのう」感覚は分かりますか?

最初から明確な「ととのう」感覚を得られるとは限りませんが、手順を守ってサウナ・水風呂・外気浴を体験することで、すっきりとした爽快感やリフレッシュ感は十分に味わえます。回数を重ねるうちに、自分に合った温冷のバランスが掴めるようになります。

Q2. 水風呂に入れないのですが、どうすればいいですか?

無理に冷たい水風呂に入る必要はありません。まずはぬるめのシャワーで汗を流し、手足など体の端から順番に冷水をかけて慣らしていくのがおすすめです。かけ湯や水シャワーだけでも、その後の外気浴で十分に心地よいリラックス感が得られます。

Q3. 「ととのう」感覚を求めるあまり、サウナに長く入りすぎるのは危険ですか?

大変危険です。「ととのう」ために無理をして長時間サウナに入ったり、水風呂に我慢して浸かり続けたりすると、熱中症や体調不良の原因になります。自分の体調を最優先にし、「少し熱い」「心地よい」と感じる範囲で退出するようにしてください。

Q4. 家族湯などのプライベートサウナの魅力は何ですか?

公衆浴場のサウナと異なり、周りの目を気にせず自分たちのペースでサウナを楽しめる点です。家族で会話を楽しみながら入ったり、パートナーと交代で子どもを見ながら外気浴をしたりできるため、家族の絆を深める特別な時間を作ることができます。

まとめ

サウナで「ととのう」とは、温冷交互浴と丁寧な外気浴によって訪れる、心身の深いリラックス状態のことです。

単に疲労を回復させるだけでなく、静かな空間で自分自身と向き合ったり、大切な人と心地よい時間を共有したりすることで、日常への感謝や多幸感が満ちてくる点にサウナの本当の魅力があります。

ぜひご自身の体調に合わせて無理のない手順でサウナを楽しみ、あなただけの心地よい「ととのう」感覚を見つけてみてください。